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さてＤＨＡが頭の働きを良くすることは、国内外の研究者の実験により証明されてきました。

ＤＨＡが注目を集めたのは、頭を良くするということが理由ですが、ほかにもそのような物質はないのでしょうか。

世界中の研究者が次に注目したのはコリンという物質でした。次のような実験をしたのです。

神経伝達物質として重要な働きをするアセチルコリンのもとになるコリンが欠乏しているエサでネズミを飼育します。

もういっぽうのネズミのエサは、コリンを強化したエサで飼育しました。コリンの入ったエサを食べたネズミのほうは記憶力が高まり、コリンの入っていないエサのネズミは、記憶力が低下していたのです。

これを人聞に応用できないかというように考えたのです。

血液中のコリンを効果的に高める食品があれば、当然、人間にも効果が期待できるというわけです。

そうして食品の成分をひとつひとつていねいに調べていった結果、リン指質のひとつであるホスファチジルコリン（別名レシチン）がいちばん効果的であるという結論に達したのです。

ちょっとむずかしくなりますが、その理由を説明します。

コリンは、グリセリンとリン酸をそれぞれ１つと、２つの脂肪酸（脂肪酸のひとつは不飽和脂肪酸であることが多く、またＤＨＡの系列であるα−リノレン酸がついていることもあります）をくっつけたもので、リン脂質の一種です。

これは脳の中にも存在しているのです。

コリンはアセチルコリンを作るということだけでなく、リン脂質を作るという面を考えてみると、ＤＨＡもリン脂質に多いのですから、こんなところにＤＨＡとコリンには接点があるのでは、と思えるわけです。

（続く）

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